景品表示法違反!おとり広告で、大手スシチェーン店に措置命令

テレビCMなどで宣伝した寿司を実際には多くの店舗で販売しなかったことが、おとり広告にあたるとして消費者庁は、大手スシチェーン店に措置命令を出しました。

大手スシチェーン店が去年9月~12月にかけてウニやカニなど3種類の寿司のキャンペーンをテレビCMやインターネットで宣伝していたにも関わらず、キャンペーン期間中にその商品を1日以上販売していなかった店舗は全体の9割にのぼったということが「おとり広告」にあたると判断されました。

キャンペーンの初日から商品を販売していなかった店舗があったにも関わらず、広告の掲載を続けていました。

【おとり広告とは】

景品表示法5条各号では、実際のものよりも著しく優良であるとの表示である優良誤認表示、実際のものよりも著しく有利であるとの表示である有利誤認表示とともに、それ以外の一般消費者に誤認させるおそれがある表示として内閣総理大臣(消費者庁長官)が指定するものを不当表示として禁止しています。

そして権限の委任を受けた公正取引委員会による告示で「おとり広告」に関する表示が規定されています。この指定による不当表示は他に清涼飲料水等についての表示、原産国に関する不当表示、消費者信用の融資費用に関する不当表示、有料老人ホームに関する不当表示などがあります。

違反した場合には表示行為の差止め、再発防止、その他必要な事項を命じることができる措置命令の対象となっておりますが、罰則は規定されていません。また消費者庁は調査のため報告の徴収や立入検査を行うことができます。


今回の措置命令の内容は、「景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること」、「再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること」、「今後、同様の表示を行わないこと」となっています。

公正取引委員会の調査に対し大手スシチェーン店は「食材を十分に準備ができていなかった」と説明していますが、実際には提供できない、そもそも提供する意思がない場合に広告を行った場合はおとり広告として不当表示に該当することになります。

提供できる数量が限られているにも関わらず、明瞭に実際の数量を表示しなかった場合も同様です。

広告に際しては優良誤認表示や有利誤認表示だけでなく、提供できる数についても正確に表示して消費者に誤認させないよう気をつけて表示することが必要です。