(1)マーケティング法務検定

マーケティング法務検定とは、正しい法知識を知り、マーケティングや広告に活かす力をつけるための検定です。
マーケティングをはじめとする、企業の営業活動を担う、一人一人が自身の活動に関する法令を知り、違法・不当な行為を行わないように、その判断能力を養うための検定として、「マーケティング法務検定」が作られました。
マーケティング・ビジネス実務検定の試験分野の一つである「マーケティング法務科目」をより広く、そして深く掘り下げ、特に広告マーケティングの分野に関わる法令を中心に知識を身に着けていただくことを目的とした検定です。
広告・マーケティングに関する法規制は、企業活動において極めて重要であるにも関わらず、これまで、1つの法分野としてあまり認識されることはありませんでした。

しかし、2016年4月に景品表示法に課徴金制度が導入されて以来、多数の企業が広告の不当表示を理由として課徴金を課され、それがマスコミで報道されることによって、企業の信頼性を著しく損なう状況が生じています。
また、適格消費団体の増加に伴って、企業の広告・マーケティング活動に関する差止請求の件数も増加し、日本版クラスアクション制度を企業の広告・マーケティング活動に適用しようとする動きもみられます。
さらに、薬機法による、医薬品・医療機器・化粧品等の虚偽誇大広告に対する課徴金制度も2021年8月から施行されます。

このような状況の変化により、広告・マーケティングに関するコンプライアンスの重要性が高まっている現在、特定の業種・業界にとらわれないマーケティング法務の知識が求められています。
今回創設した「マーケティング法務検定」は、マーケティングに関わる多くの方々にとって、マーケティング実務に活用できる実践的な法知識と実務ケースに対応できる能力を習得し、その理解度を確認することができます。

(2)マーケティング法務検定の試験内容

①内容・レベル

マーケティング法務検定は、マーケティング実務に活用できる実戦的な法的知識を身に着けることができるビジネス直結型の検定試験です。
実戦的な法的知識は業種・業界の垣根なく、ビジネスパーソンの助けとなるものです。

レベル
A級 各種法令を理解し、戦略的に用いることができるレベル
B級 指導的立場で、リスクマネジメント業務が行えるレベル
C級 法令に違反することなく、マーケティング活動が行えるレベル

全国どこからでも受験していただけるweb試験の方法により実施いたします。

②出題範囲

出題の範囲で、基本事項について出題されます。

範囲 内容
マーケティング法務に関する基礎知識
(1)消費者に関する法令
①消費者基本法
②消費者契約法
③消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律(消費者裁判手続特例法)
(2)販売活動に関する法令
①私的独占の禁止および公正取引の確保に関する法(独占禁止法)
②下請代金支払遅延等防止法(下請法)
③特定商取引に関する法律(特定商取引法)
(3)広告・表示に関する法令
①不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)
②医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)
③食品表示法
④不正競争防止法
⑤製造物責任法(PL法)
⑥特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)
(4)権利者の保護に関する法令
①特許法・実用新案法
②商標法・意匠法
③著作権法
④パブリシティ権
法律の基礎知識
(5)民法の基礎知識
①物権と債権
②法定と約定
③権利の主体
④代理
⑤無効、取消し、解除
⑥時効
(6)契約に関する法知識
①契約の成立
②契約締結上の過失
③契約不適合と売主の責任
④債務不履行
⑤危険負担(履行の拒絶)
⑥手付
⑥特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)
⑦法定利率
⑧定型約款の合意

試験形式/試験時間

科目 配点 時間 レベル
ベーシックC級 マーケティング法務に関する基礎知識・事例 正誤(〇×)式

選択式

語群選択式

三答択一式

20題(30点)

20題(45点)

10題(30点)

15題(45点)

150点 60分 どなたでも受験できます。
これからマーケティング法務実務に携わる方
法律の基礎知識 語群選択式

三答択一式

正誤(〇×)式

三答択一式

10題(15点)

10題(20点)

10題(10点)

2題(5点)

50点 30分

合格基準点
2科目の合計160点(80%)を基準として試験委員長の定める点。

③テキスト

マーケティング法務ベーシックマニュアル

マーケティング法務の重要性

会社における「法務」については、内部統制や労務上の問題について、専門的知識をもった一部の人が対応する業務というイメージが強いのではないでしょうか。
そういったイメージに反し、「法務」は企業の一員である人、全員が携わっていることです。
売り手として消費者に接するとき、注文者として他事業者に仕事を依頼するときにも「法務」は関係してきます。

自社製品に自信をもって「これで絶対○○できる!」と広告することや、よかれと思って値引き価格での販売を継続していることが景表法違反になっているかもしれません。
企業HPにあげた画像が、誰かの著作権を侵害しているかもしれません。
馴染みの業者に、少し無理を聞いてもらっていたことが、下請法に違反しているかもしれません。
昔からずっと食品に使ってきたキャッチコピーが薬機法で医薬品とみなされ規制されるかもしれません。
メルマガを送る際にも、気をつけないと特定電子メール法に触れてしまう可能性もあります。

法令の規定を見ているだけでは、具体的な違法行為や、「どうすれば法令違反にならないか」ということを理解することは難しいでしょう。
また、法令を理解するためには、民法の基礎知識が不可欠ですが、学生時代に専攻していなかった方にとっては、チンプンカンプンではないでしょうか。
そういった方々に活用していただけるのが「マーケティング法務検定」です。

マーケティング法務検定では、テキストで民法の基礎知識から学ぶため、法律知識ゼロから、マーケティングに関連する法的知識を効率よく学ぶことができ、検定試験に合格することで、客観的な評価を得ることができます。

また、マーケティング法務検定で問われる法律の罰則規定は「違法となることを知らなかった」「わざと違法なことをしたわけではない」という言い訳が一切通じないものがほとんどです。
「知らない」ということは、それだけで「いつ違反行為・違反広告をしてしまうかわからない」というリスクに直結します。
リスクマネジメントにもお役立ていただける検定です。